BBC、piano analyticsの活用でユーザーエンゲージメントが2倍に

昨年パリにて開催されたPiano Academyにおいて、BBC(英国放送協会)のシニアプリンシパルデータアナリストであるIain Hoare氏より、スポーツ編集部と製品部でのPianoを活用したコンテンツ施策の最適化方法についての講演がありました。Hoare氏は、コンテンツ最適化施策により、ユニークユーザーのトラフィックは28%増加し、サイト上でのユーザーエンゲージメントは2倍以上増加したと発表しています。

講演概要

BBCは2021年半ばにコンテンツの表示形式を短編コンテンツに変更したため、エンゲージメントを計測するための新しい指標が必要でした。従来は別ページに記事全文が開かれる形式でしたが、新形式ではクリックやページ移動がなくなり、クリック数の計測ができなくなった為です。そこでユーザーの注意を15秒以上引くコンテンツの計測を開始しました。

この計測により、コンテンツや製品に関する深いインサイトの獲得が可能となりました。編集部はコンテンツの種類、長さ、トピックの観点からユーザーに人気のあるコンテンツを特定でき、製品部はユーザーがどのようにサイト内を回遊しているかの他、コンテンツのレイアウトや読了率、ページネーションなどのパフォーマンスを知ることができるようになりました。

そしてPianoの高度なセグメント機能により、より質の高いパーソナライゼーションを実現しました。「特定のコンテンツを15秒以上閲覧した確率」と、「閲覧時間」によるセグメント分けをすることで、サイトのエンゲージメント向上のためにそれぞれの指標を分析できるようになりました。この二つの指標は相反する場合が多々ありますが、この不一致こそが改善の機会を見極める判断材料となります。

Pianoのダッシュボードは施策の成果をリアルタイムで知ることができます。データの特定と共有が迅速にできるようにデザインされているため、アナリストやジャーナリストがインサイトを得たり、組織全体への迅速に共有ができるので、コンテンツの継続的な最適化や、リアルタイムでの更新に役立っています。

BBCの新たなコンテンツ表示形式は、スポーツページのユーザー数と滞在時間を2倍に増やしました。2022年9月のサッカーシーズン開幕時以来、前シーズンに比べて週平均ユニークユーザーが28%増加し、1回の訪問あたりの平均滞在時間は106%増加しています。