アメリカ・メディアがたった9ヶ月で0から1万人に有料会員を増加させた方法とは?
1909年に創刊された『アメリカ』は、キリスト教・イエズス会が後援しているオピニオン誌です。主に政治、文化、バチカンに関するニュース、スピリチュアリティなどを取り上げ、米国団体 の『アメリカ・メディア』より全米の読者を対象に出版されています。
本誌は2000年にデジタルコンテンツを開始し、2007年にはプリント誌に掲載されていないウェブサイト限定コンテンツのサービスを開始しました。2015年、デジタル運用に大規模な投資を行い、2020年にデジタル版の会員登録と寄付を促進するソリューションを求めてPianoに来社しました。
課題
2020年に登録ウォールを設置した初期戦略を開始し、読者にデジタル版の会員登録を促しました。この戦略の目標は、日々のニュースレターやEメールでのコミュニケーションを通して会員に寄付を募ることでした。
わずか8ヶ月で新たに4万件以上の電子メールの登録があり、登録ウォールは成功と言えるものでしたが、寄付金募集については、収集金額は劇的に改善されたものの、成長中のメディアビジネスモデルを維持するにはまだ不十分な額でした。
収益目標を達成するためには有料サブスクリプションモデルへと移行する必要があると同時に、3つの核となる問題を解決する必要がありました。
- 人は宗教的なメディアに課金をするのか?
- コンテンツを有料化することで、トラフィックにどのような影響があるのか?
- 定期的に受け取る寄付金額が下がらないか?
解決策
まず、利用可能なすべてのキャンペーン、特典、FAQをまとめたサブスクリプション・ランディングページを立ち上げ、次にA/Bテストを実施し、登録ウォールとペイウォールテンプレートを最適化しました。ニュースレター登録で集めた多くの読者によって、最初のローンチは大成功を収め、最初の2ヶ月で5,000人以上の有料会員を獲得しました。
次に、Pianoの機械学習アルゴリズムを実装し、LtS(Likelihood to Subscribe)スコアに基づいてユーザーをセグメント化することで動的なオファーのターゲティングを可能にしました。購買意欲の最も高いユーザー層をターゲティングした結果、サブスクリプションサービスの最初の1年間は安定した成長を維持することができました。
その後もパーソナライゼーション施策を取り入れ、ウェブサイトの滞在時間を長くするために、ユーザーの興味関心に合わせたおすすめ記事を表示したり、解約したユーザーを対象とした、ブラックフライデーやサイバーマンデーの割引サービスなど、特定のユーザーセグメントにスペシャルオファーを提供しました。
結果
第一週目にはすでに2000人の有料購読者を獲得し、わずか9ヶ月で年間目標である1万人を達成したのです。さらに、記録的な寄付金額を集めることに成功し、寄付金が減るのではないかという懸念は払拭されました。
『アメリカ』は現在、10万人以上の会員ユーザーと12,000人のデジタル版有料購読ユーザーに加え、紙媒体の定期購読者35,000人 (うち1万人はデジタル版へのアクセス権を有しています)を保持しています。
America MediaはPianoの支援により、優れたユーザーエクスペリエンス提供の実現と同時に、社会を支える為のサブスクリプション収益や寄付金募集の促進に成功しました。