3つの継続的な試みで、飛躍的にコンバージョンを向上させる方法とは

貴社のサブスクリプションビジネスは以下の項目をクリアしていますか?

  • 1度のサイト訪問でたくさんのコンテンツ消費をするエンゲージメントの高いユーザー基盤がある
  • ユーザーが別の場所でコンテンツをシェアしてくれている
  • ユーザーが自動的にサブスク契約の更新をしている
  • 継続的に有料コンテンツへの課金がある

全ての事項に当てはまれば、貴社のサブスクリプションビジネスは成功していると言えます。しかし、これは序章に過ぎません。成功を維持し続けるためには何をするべきでしょうか。

アラブ首長国連邦の新聞社であるGulf News社で、ユーザー獲得・デジタルサブスクリプション収益・パートナーシップ部門の責任者であるSantu Dev氏は、その答えとして「テストが終わったらまた新たなテスト。継続的にテストをし続けることです。」と発言しています。Pianoが主催するウェビナー「Piano Academy」において、Pianoのプロダクト・マーケティングVPである Allan Stormonとの対話の中で、Santu Dev氏は、それがサブスクリプションビジネスの要であると述べています。

それではGulf News社が小規模のテストを頻繁に行うことで、サブスクリプション戦略にどれほど大きな影響を与えたかを見ていきましょう。

チームワークとテストを重要視

Dev氏のチームはGulf News社の編集長直属のチームです。構築した戦略を、編集の全体的なビジョンや日々の意思決定と常に一致させるためです。ニュース編集部門と共同作業をすることで、Dev氏のチームはカスタマージャーニーを改善させるために必要なテストをスムーズに行うことができ、ニュース編集部門にとっても、クリック数やエンゲージメントに良い影響を与えるコンテンツを把握するのに役立ちます。

4名で構成されたDev氏のチームは、無料ユーザーから有料購読者へのコンバージョン促進に取り組んでおり、毎日約2時間かけてテストの実施と、結果の記録を行っています。パターンを導き出すのに十分な統計的に有意性のあるデータにするために、すべてのテストは30日間実行されます。

テスト終了後にはチーム全員で結果を比較し、コンバージョン率の一番高かったパターンを特定します。それを独自のテストに分割していくことで、ユーザーファネルの移動のスピードアップや、サブスクリプション契約へと導くシグナルを見出すことに成功しています。

3つの小さなテストが大きな結果を生む

ウェブサイトとユーザーの全てのタッチポイントは、ユーザーとの信頼を構築することにも、損なうことにも成り得ます。Gulf News社はサブスクリプション戦略において、その繊細とも言える重要性をしっかりと理解しています。しかし、全ての企業がGulf News社のように、テストに注力できる環境があるわけではありません。

そのような場合でも、カスタマージャーニーにおける3つの小規模なテストを実施すれば、大きな結果をもたらすことができるとDev氏は強調します。

キャッチコピー:コンバージョンへと導く言葉とは?

企業によっては、自社サイトの全てのクリックにおける潜在的な有料購読者へ提供すべき最適なコンテンツを把握しているかもしれませんが、カスタマージャーニーを促進させるための効果的なキャッチコピーの採用に関してはどうでしょうか?

ユーザーエクスペリエンスにおいて、ブランディングや顧客を望ましい方向へ誘導するためには、キャッチコピーの一言一句が大切です。下記の二つのキャッチコピーを比べてみましょう。

「サブスクリプションに加入して、全てのニュース記事を閲覧可能にしましょう。」
「最新ニュースを見逃さない!今すぐサブスクを始めよう!」

前者は単刀直入でストレートな言い回しですが、後者は読者に向け「有料会員にならないと貴重な情報を逃してしまう、損をしてしまう」といった心理を突く意図があるものです。A/Bテストでこのような2種類のキャッチコピーの成果を比較するだけで、より効果的なバージョンを確認することができます。

CTAボタンのテキストや、CTAボタンに導くイントロコピーも、効果的な言葉を見つけるためにテストする必要があります。

表示形式:最もインパクトのある見せ方とは?

Pianoでは、例えていうならコンテンツは「王様」であり、表示形式は「女王様」だと考えています。例えば、テストデータの裏付けがある美しいキャッチコピーを書いた場合、その表示形式も同じように魅力的でなければなりません。

多くのウェブサイトで採用している全画面表示のポップアップ形式は、嫌でも目に入ってくるものですが、記事の文中にあるニュースレター登録を促すメッセージや、読み進めていくうちにページの下部に表示されるキャンペーンオファーのバナーはあまり効果的ではないもがあります。

メッセージングのテスト同様に、さまざまなサイズや表示位置でテストを繰り返すことで 、貴社のウェブサイトのユーザーにはどのよう表示形式が最も効果的かを把握することができます。

クリエイティブ:映えるイメージや色使いとは?

クリエイティブは色や画像を多彩に組み合わせ、表示形式を際立たせることで、ユーザーからの反応をより多く引き出す役割があります。ブランドを象徴する色を無作為に選んでいる訳ではないことを念頭におき、ビジネスのカテゴリーや企業理念、コンテンツが表す感情に沿った選択をすることが重要です。

ユーザーに日常的に提供するクリエイティブも同様に考え抜かれたものでなければなりません。色のテストを始めるのに適しているのは、ブランドの標準カラーパレットとその補完的なカラーパレットを比較してテストすることです。オーディエンスはブランドのキャッチコピーに多く反応を示しますか?それともビジュアルの方が効果的でしょうか?背景、テキストの色、CTAボタンまで様々なものが変更可能なので、最適な結果を得るために、変更可能な項目は全てテストすることをおすすめします。

上記で行ったカラーテストの結果を画像に反映させてみましょう。初めに、イラストと写真のどちらがユーザーに好まれるかを判断し、それをカラーテストで選定したパレットを使用して調整していきます。例えば、イラストの方が有料会員へのコンバージョン率が高く、大胆で明るい色調のカラーパレットが選ばれた場合、大胆で明るい色調のイラストと、落ち着いた色調のイラストを比較してみるのです。

スピーディに、手軽にテストを実施する

この記事を書いている現時点では、Gulf Newsはサブスクリプションサービスの展開を始めてから約9カ月が経過していますが、Dev氏と彼のチームメンバーは、サイト上の大規模で多種多様なユーザーを少しでも多く有料購読へと移行できるよう、さまざまなテストを続けています。顧客基盤が安定し、満足のいく結果が得られたら、次に同様のテスト手法で有料版のユーザーエクスペリエンスを最適化し、顧客維持へ注力する予定です。

サブスクリプションを成功させるには、「一度設定したら終了」ではなく、常に最適化され、改善のために微調整を続ける必要があります。Pianoのオーディエンス・エクスペリエンス・ソリューションであるComposerを使用すると、キャンペーンやデジタル資産全体でテストを考案、実施、複製することが可能です。コーディングをする必要はなく、ドラッグ&ドロップのシンプルなインターフェースでカスタマージャーニーのあらゆる側面をデザインし、すぐに開始することが可能です。

Composerの詳細や、このツールを活用したテストの実施方法、詳細に関するお問い合わせはこちらのデモリクエストから承っております。ぜひ、お問い合わせください。