サブスクリプションビジネス成功事例集:
データドリブン型アプローチ法

昨今、競争がますます激化しているメディア市場ですが、パブリッシャーが成功するには、顧客を中心とした強固な戦略構築が必要です。従来のアプローチ法も効果的ではありますが、持続可能で長期的な成長モデルの構築には、既成概念にとらわれないダイナミックなアプローチが必要です。

持続的な成長を求めて多くのパブリッシャーが、業界をリードするデータ分析や最適化するための基盤としてPianoを活用しています。Pianoはそのような企業のビジネスの改善点を洗い出し、成功するサブスクリプションサービスを一から構築するために必要なツールやリソースの提供をしております。

本コンテンツでは、データドリブン型アプローチを採用した、サブスクビジネス成功事例をいくつかご紹介させていただきます。

デジタルファーストに生まれ変わったレガシーなプリントメディア企業

課題:
週刊誌を起源とする100年以上の歴史を持つメディア企業が、2007年にウェブメディアへの参入を開始しました。2020年には、発刊頻度を週刊から月刊に戻し、デジタルファースト(時にはデジタルオンリー)の視点でコンテンツに取り組むなど、デジタルビジネスへのアプローチを再構築した後、会員登録ウォールやデジタル寄付からの収益拡大を図るため、Pianoのソリューションに着目しました。

企業はまずサイトユーザーに会員登録を促し、デイリーニュースレターやメールを配信することで寄付金を増加させました。わずか8カ月で4万件の新規会員登録があったものの、持続可能なビジネスモデルを構築するためには、寄付の依頼だけでは不十分でした。

また、有料購読プログラムの立ち上げにはリスクが伴います。ペイウォールの実装でトラフィックが減少したり、既存の寄付の流れが停滞してしまうことはないか?ユーザーはニッチなコンテンツに課金をするだろうか?それともコンテンツ消費をしなくなってしまうだろうか?などさまざまな懸念がありました。

解決策:
すべてのキャンペーン、特典、FAQの詳しい内容をまとめたサブスクリプション概要ページを立ち上げた後、会員登録ウォールやペイウォールのテンプレートをA/Bテストし、効果的なアプローチ方法を探りました。これらの施策が既存ユーザーをニュースレター登録へと導き、2ヶ月で5,000名を超える有料会員を獲得するという大きな成功を収めました。

パーソナライゼーション施策では、ユーザーのセグメンテーションやターゲティングの精度を高めるため、Pianoの機械学習アルゴリズムを活用しました。LtSスコア (Likelihood to Subscribe, 有料会員になる可能性を示す数値)に基づき、カスタマイズされたオファーやコンテンツレコメンデーション(おすすめ記事)を行い、ユーザーのサイト滞在時間をより伸ばすことができました。

キーポイント:ユーザー理解を深める

有料会員にコンバージョンする可能性の高いユーザーをターゲティングすることで、Pianoはこのパブリッシャーの安定的かつ持続可能なビジネスの成長を支援しました。1年足らずで、この雑誌の有料会員数は1万人に達しました。現在、この企業は、従来のプリント版購読者3万5000人に加え、10万人の会員登録ユーザーと1万3,000人のデジタル購読者を擁しています。また、懸念されていた寄付金額については、今までの最高額を記録しました。

2007年のウェブメディア開始依頼実行していた、プレミアムコンテンツとコンテンツレコメンデーションの提供は、いずれも強力な成功指標となっています。会員登録や有料会員のコンバージョン率が着実に向上しているだけでなく、リテンション率もプリント版と同等の高い数値に到達しています。

歴史ある新聞社がユーザー体験のパーソナライゼーションを開始

課題:
米国で最も歴史ある新聞社の一つであるこの企業は、一流の報道が必ずしも持続可能なサブスクリプションプログラムにつながるとは限らないことを知っていました。そんな中、複数の競合他社が彼らの質の高いコンテンツを模倣し、利益を得ているという事実が判明したのです。これを阻止し、ロイヤルユーザーを増やすためには、他社には真似のできない唯一無二のユーザー体験を構築する必要があると考えました。


解決策:
解決策は意外にもシンプルで、「ユーザー体験をキュレートする」というものでした。Pianoの機械学習ツールを活用し、既読、もしくはクリック済みのコンテンツを非表示にする他、関連性の高いコンテンツレコメンデーションの提供を行いました。このアプローチでモバイルアプリのエクスペリエンスも大きく変化しました。キュレートしたニュースに対して、パーソナライズされたユーザーフィードを自動的に実行する 「重複排除」 と呼ばれるプロセスによって、この企業はユーザーに常に新しく、そして関連性の高いコンテンツ提供が可能となりました。

しかし、長期的なビジネスモデルを構築するためには、さらなる努力が必要でした。同社はPianoを活用し、訪問頻度を基準にしたトラッキングとユーザーのセグメント化を行いました。これはエンゲージメント、会員登録、サブスクリプションのそれぞれの将来的なキャンペーンを構築するための予測因子となりました。また、閲覧数が多い記事を以前より注意深くモニタリングしたところ、予想通りではありますが、ユーザーは自分に最も影響のあるコンテンツを閲覧する傾向が強くなることがわかりました。例えば、旅行に関する記事の閲覧数が飛び抜けて高かったことは、以前では考えられないことでしたが、モニタリングしたことで、交通やインフラに関する記事も「旅行」のカテゴリーとしてカウントしていることがわかりました。

キーポイント:ユーザーのコンテンツ消費の傾向を知る

上記の取り組みが功を奏し、ユーザーは自分のニーズや興味関心に沿った質の高いコンテンツであれば、抵抗なく課金をするということが証明されました。この企業では、デジタルの購読者数が前年比で40%増加し、今ではユーザー数全体の35%を占めるに至っています。

無料トライアルを利用して、コミュニティとつながる法律専門誌

課題:
元米国弁護士を編集長とするこの専門誌は、法律というフィルタを通して今日の政治やニュースを考察しています。広告なしの環境でボーナスコンテンツ、ポッドキャスト、深掘りした内容のメールなどのプレミアムコンテンツを提供することで、ユーザーのエンゲージメントの収益化を図っていました。

ユーザー同士の結びつきが固く、エンゲージメントの高いコミュニティを形成していたものの、速いペースで進むニュースサイクルと、ユーザーの関心の予測が困難なことから、企業はコンテンツ収益化の機会を逃さないために、迅速に行動しなければならないと考えていました。

解決策:
piano composer、id、vxを、WordPressをベースとしたプラットフォームに連携し、新しい会員限定コンテンツを開始しました。そしてユーザーに有料コンテンツの14日間無料トライアルを提供し、興味のあるユーザーには認証情報やデジタルウォレットを作成できるようにしました。

キーポイント:注目すべきは自社の強みである

自社の有料サービスのコアとなるものとは何でしょう?この企業の場合はまさに、無料トライアルプログラムで重視した、「コミュニティ」と「エンゲージメント」です。最初の90日間で、15,000人以上の有料ユーザーが無料トライアルに登録し、14日間のトライアル期間が終了した時点で、無料トライアルユーザーの88%が有料会員に移行しています。

どのような状況下であってもパブリッシャーを成功へと導くご支援を提供

全てのパブリッシャーが独自の課題を抱えています。

ウェブサイトのユーザーエクスペリエンスに改善点がある、時代遅れのユーザーアプローチ法を採用している、など企業ごとの課題はあるとしても、適切な戦略を実行することで、これらの課題に取り組み、長期的な利益を得ることが可能になります。Pianoの革新的なアルゴリズムとデータツールの活用で、ユーザーとのつながりがより強固になり、ビジネスを持続可能な成長に導きます。

デジタルビジネスの最適化と収益向上戦略の詳細にご興味がございましたら、こちらからデモのリクエストをお願いいたします。貴社のユーザーデータを活用する最適な方法をご紹介させていただきます。

Pianoは企業のデジタルビジネスにおいて、顧客行動を理解し、次のアクションへと促す知見やロジックを提供しております。顧客データの統合、行動指標の分析、パーソナライズされたカスタマージャーニーの構築により、キャンペーンや製品の迅速なローンチ、顧客エンゲージメントの強化、単一のプラットフォームで大規模なパーソナライゼーションを実施できるようご支援をしております。